○三宅村消防本部消防関係救急業務に関する規則
昭和47年4月1日
規則第6号
第1章 総則
(目的)
第1条 この規則は、三宅村消防本部消防関係救急業務に関する条例(昭和46年三宅村条例第33号。以下「条例」という。)施行のために必要な事項を定め、救急業務の能率的運営を図ることを目的とする。
(消防長の責任)
第2条 消防長は、この規則に定めるところにより三宅管内の救急事情の実態を掌握し、これに対応する救急体制の確立を図ると共に救急関係業務運営の万全を期さなければならない。
(消防救急係長の責任)
第3条 消防救急係長は、この規則の定めるところにより所属職員を指揮監督し、救急装備及び資器材を有効に管理すると共に救急関係業務の万全を期さなければならない。
類別 | 種別 | 細別 | 摘要 |
不慮の事故 | 1 火災事故 | 火災事故 | 直接火災に起因し、かつ火災現場における事故 |
2 風水害等事故 | 風水害等事故 | 暴風、豪雨、豪雪、洪水、高潮、津波、地すべり、落雷、地震その他異常な自然現象に起因する災害による事故 | |
3 水難事故 | 1 水難 | 水上交通機関の衝突、沈没又は転覆等による事故 | |
2 水難 | 遊泳又は不慮の水中(浴そう、洗たく機、たらい等を含む。)転落による事故及びその他不明の水難事故 | ||
4 交通事故 | 1 交通 | 走行中(一時停止は走行中とみなす)の陸上交通機関相互の衝突接触等による事故 | |
2 交通 | 走行中の陸上交通機関が故障、激震又は衝突等によって起した単独の事故で交通(1)(3)以外のもの | ||
3 交通 | 走行中の陸上交通機関が直接人と衝突若しくは接触した事故又は故障、運転上のミス等による飛散物若しくはあおりにより乗員以外の人に障害を与えた事故 | ||
4 交通 | すべての航空機事故。ただし、陸上に停止中のものを除く。 | ||
5 労働災害事故 |
| 各種工場、事業所、作業所及び工事現場等において操業中に発生した事故で種別して4及び6に該当しないもの | |
1 労災 | 就労者の職業性の外傷事故 | ||
2 労災 | ガス、薬物中毒、潜かん病、潜水病、汚水又は粉塵による疾病等就労者の職業性疾病事故 | ||
3 労災 | 操業によって直接見学者又は通行人等が負傷又は発病した事故 | ||
6 運動競技事故 |
| 遊技としてではなく組織的又は計画的に行われる運動競技(練習・訓練を含む。)実施中に発生した事故 | |
1 運動競技 | 運動競技直接実施者の事故 | ||
2 運動競技 | 審判員、役員等直接実施者以外の運動競技関係者の事故 | ||
3 運動競技 | 観覧中の者が直接に運動競技用具又は競技者との衝突等によって負傷した事故 | ||
7 一般負傷 | 一般負傷 | 種別1~6に該当しない不慮の事故 | |
故意の事故 | 8 犯罪事故 | 犯罪事故 | 故意に他人に傷害を与えた事故 |
9 自損行為 |
| 故意に自分自身に傷害を与えた事故。ただし、2以上の手段を併用した場合は主たる傷病の原因となった手段に従う。 | |
1 自損 | 自殺を目的として薬物その他異物を飲用した事故 | ||
2 自損 | 自殺を目的としたガス類の吸入による事故 | ||
3 自損 | 自殺を目的とした刃物、銃器、鈍器等による事故 | ||
4 自損 | 自殺を目的とした首つり、投身その他自損(1)~(3)以外の手段による事故 | ||
5 自損 | 狂言自殺その他自殺を目的としない自損行為。ただし、快楽のためによるものを除く。 | ||
疾病事故 | 10 急病事故 | 1 急病 | 急病(2)~(4)以外の疾病事故(病状の急激な悪化を含む。) |
2 急病 | 異常な分娩 | ||
3 急病 | 窒息、異物の誤飲による事故 | ||
4 急病 | 飲食物、薬物又はガス等による中毒事故 | ||
その他事故 | 11 その他事故 | その他事故 | 転院搬送又は医薬品等輸送を行った場合その他前号種別のいずれにも該当しない事故 |
第2章 編成
(編成)
第5条 救急隊は、救急自動車(以下「救急車」という。)1台並びに救急隊長(以下「隊長」という。)及び救急隊員(以下「隊員」という。)をもって編成する。
2 隊員の構成は、救急員及び機関員とする。
3 隊長は消防司令補又は消防士長、救急員は消防士長以下の階級にあるものをもって充てる。
(隊員の指定)
第6条 消防長は、隊長又は隊員を命免した場合は、村長に報告するものとする。
2 消防長は、救急隊の機関員を命じた場合は、次の各号についてその修得に努めさせるものとする。
(1) 救急操法
(2) 救急用資器機の品目取扱い、消毒、清潔方法等
(3) 救急業務関係法規
(4) 救急地理
(5) 救急通信連絡要領
(6) その他必要と認める事項
(救急用資器機)
第7条 救急車には別表第1の救急用資器機を備えるものとし、その種別を常時積載資機及び必要に応じて積載する選択積載資機の2種とする。
(応急救急隊の編成)
第8条 定数以外の救急隊(以下「応急救急隊」という。)を編成しようとする場合は、救急隊に準ずる車両資機及び人員を充てるものとする。
(担架班の編成)
第9条 救急事故現場において傷病者の担架搬送を行うため消防長又は現場指揮者が必要と認めた場合には、担架班を編成するものとする。
2 消防長は、所属職員に対して担架班員として必要な知識を修得させるため次の事項の訓練に努めるものとする。
(1) 止血法
(2) 骨接固定法
(3) 人工呼吸法
(4) 担架法
(5) 応急担架の作り方
(6) その他必要と認める事項
第3章 救急活動
(救急隊の任務)
第10条 救急隊は、法に定める救急業務を行うほか、医療上緊急を要する場合には、医師、看護婦、助産婦等又は資器機を輸送するものとする。
(隊長の任務)
第11条 隊長は、上司の命を受け隊員を指揮して、前条に定める任務を遂行するものとする。
2 隊長は、任務遂行に当たり、本部との連絡を密にしなければならない。
(隊員の心得)
第12条 隊員は、業務の特殊性を十分自覚し、特に次の各号について留意しなければならない。
(1) 傷病者の取扱いに当たっては、懇切ていねいを旨とし傷病者にしゅう恥又は不快の念をいだかせないよう努めること。
(2) 業務上知り得た事項はみだりにこれを他にもらさないこと。
(3) 常に身体着衣の清潔保持に努めること。
(搬送順位と救急処置)
第13条 隊長は、傷病者多数の現場においては、原則として症病の重いと認められる者を優先に搬送すると共に必要に応じて一部の隊員を現場に残留させる等傷病者の保護について配慮するものとする。
2 隊長は、現場及び搬送途上において傷病者に対し適切な救急処置を施すと共に看護に努めなければならない。
(警察への協力)
第14条 隊長又は現場指揮者は、救急関係業務の実施に当たり交通事故、犯罪事故又はその他必要と認められる場合は速やかに警察機関に通報すると共に現場保存等に留意し警察機関の行う捜査活動に協力するものとする。
(錯乱者等の取扱い)
第15条 隊長は、当該傷病者が錯乱状態又はでい酔のため自己又は他人の生命、身体又は財産に危害をおよぼすおそれがあると認められる場合は、警察官の出動を要請するものとする。
(医療機関等の選定)
第16条 隊長は、傷病者搬送に当たり医療機関その他の場所(以下「医療機関等」という。)を選定する場合は、努めて当該傷病者又はその関係者の意思を尊重すると共に傷病者の最も利益となるように努めるものとする。
(搬送の制限)
第17条 隊長は、傷病者若しくはその保護者が搬送されることを辞退した場合又はその傷病の種類若しくは程度によっては医療機関等への搬送を行わず、必要に応じた現場処置にとどめることができる。ただし、傷病者若しくはその保護者等が搬送を辞退した場合であっても搬送しないことが傷病者の生命に著しく危険であると判断されるときは、この限りでない。
2 前項の場合、隊長は必要に応じ医師の来診を要請しその意見を求める等の配慮をしなければならない。
3 傷病者が医療機関等へ搬送されることを辞退した場合は、現場処置の有無にかかわらず第27条に規定する救急原票(以下「救急原票」という。)に傷病者又は関係者の署名を求めるものとする。
(一般人に対する協力要請)
第18条 隊長又は隊員が事故現場付近にある者の協力を求めるに当たっては、協力者の危害防止に十分留意すると共に協力を得た場合はその住所、氏名等の聴取に努める。
(医師等の同乗)
第19条 隊長は、救急業務の実施に際し必要と認めるときは、傷病者と共にその関係者、医師、警察官等を同乗させることができる。
2 隊長は、脳出血その他搬送する必要がある場合は、努めて医師の同乗を求めるものとする。
(転院搬送等の注意)
第20条 医療機関等からの要請により当該医療機関等において現に医療を受けている傷病者を他の医療機関へ搬送する場合(以下「転院搬送」という。)は、搬送先の選定とその受入れ態勢の確保については、努めて要請側において配慮させると共に傷病者の容態については、前条により医師の同乗を求めるものとする。
2 ヘリコプターによる緊急患者輸送(三宅空港までの輸送)については、努めて医師の同乗を求めるものとする。
(未成年者の取扱い)
第21条 未成年者の傷病者を輸送する場合は、努めて保護者を同乗させるものとする。
(医師への申し継ぎ)
第22条 隊長は、医療機関等へ傷病者を搬送したときは、直ちに医師に対し次の各号に掲げる事項を告げるものとする。ただし、搬送時医師が同乗した場合又は転院搬送に対し当該医療機関相互において連絡が行われた場合は、この限りでない。
(1) 現場到着時の傷病者の容態及び環境
(2) 受傷又は発病の推定原因及び経過
(3) 現場到着から医療機関到着までの所要時間とその間における傷病者の病状経過
(4) 救急処置の概要
(5) その他医師の参考になると思われる事項
(所持品の取扱い)
第23条 傷病者特に意識障害者の救護に当たっては、その所持品の保存取扱いについて十分な配慮を行い次の各号によるものとする。
(1) 搬送に際しては遺留品の有無を点検する。
(2) 身元確認のために所持品を調べる場合は努めて警察官に依頼するか又は医師その他の第三者の立会いのもとに行うこと。
(3) 貴重品の取扱いは、特に慎重に行いやむを得ない場合に限って自ら保管する。他はおおむね次の関係者の順位に従って他に依頼すること。この場合は、救急原票に所要の事項を記載しかつ受託者の署名を得ておくものとする。
ア 警察官
イ 傷病者の近親者
ウ 立会いの医師
エ その他適当と認められるもの
(要保護者の取扱い)
第24条 消防長は、生活困窮者で医療費の支払能力がないと認められる傷病者を救護した場合は、速やかに東京都三宅支庁に対して通知すると共にその旨収容医療機関等へ連絡するものとする。
(伝染病患者の取扱い)
第25条 救急隊は、傷病者が伝染病予防法(明治30年法律第36号)第1条第1項から第3項まで又は同法第2条に該当する疾病(以下「伝染病」という。)であることを明らかに知ってこれを搬送してはならない。
2 消防救急係長は、所属救急隊が伝染病又はその疑いのある傷病者を取り扱った場合は、速やかに当該診断を下した医師又は保健所長の指示に従って当該救急隊に対し清潔方法及びその他必要な処置を行うものとする。
第4章 救急事故の記録、報告等
(救急原票)
第26条 消防救急係長は、所属救急隊が救急出場した場合は、様式第4号の救急原票により記録しておくものとする。
(救急原票の作成基準)
第27条 救急原票は、救急出場回数1回につき1部作成する。
2 救急原票の記載は、以後の複写に備えてすべて黒インク(必要に応じて朱)を用いるものとし該当事項がなく記入を要しない箇所はすべて斜線を引くものとする。
3 救急原票は、1年ごとに一括綴ておくものとする。ただし、分冊を妨げない。
(救急業務月報)
第28条 消防長は、月間の救急関係業務について翌月7日までに様式第5号により村長に報告するものとする。
(救急事故即報)
第29条 消防長は、管内に次の各号のいずれかに該当する特異救急事故が発生し救急関係業務が完了したときは、村長に報告するものとする。
(1) 死傷者の合計が5人以上
(2) 死者3人以上
(3) その他
2 前項の報告は、次の事項について行うものとする。
(1) 事故発生の日時、場所
(2) 事故の原因
(3) 死傷者数
(4) 救急及びその他消防活動の概要
(5) 他の機関の活動の有無とその概要
(6) その他必要な事項
第5章 救急調査
(救急調査)
第30条 救急業務の円滑な実施を図るため地域又は場所を定めて次の各号の事項について行う。
(1) 地理及び交通の状況
(2) 救急事故が発生しやすいか又は同一救急事故により多数の傷病者の発生が予想される対象物の位置、構造、進入路等
(3) その他必要と認められる事項
(救急地理原図)
第31条 消防長は、管内の出場地域について前条に掲げる対象物を標示した地理原図を作成するものとする。
第6章 研究・演習等
(教養訓練)
第32条 消防長は、救急関係業務について円滑な運営と技術の向上及び救急装備、資器機の改良を図るため常に部下職員の教養訓練に努めるものとする。
(総合演習)
第33条 消防長は、集団救急事故に対する演習を実施しなければならない。演習は、努めて救急関係業務以外の消防活動を併せた多角的なものとする。
第7章 雑則
(消毒)
第34条 消防救急係長は、次の各号の定めるところにより救急車及びその積載品並びにその他救急用資器機等の清掃、消毒を行わなければならない。
(1) 定期消毒は、毎月1回、第5条に定める救急車、物品及び隊員の着装品について行う。
(2) 使用後消毒は毎使用後、救急車内、使用資器機及び救急隊員の着装品について行う。
(3) 救急車の定期消毒を実施したときは、救急車の見やすい箇所に定期消毒実施表を標示しておくものとする。
(補則)
第35条 この規則について必要な事項は、別に定める。
附則
この規則は、昭和47年4月1日から施行する。
別表 略
様式 略