○三宅村災害保護特別事業交付金交付条例

平成15年2月5日

条例第1号

(目的)

第1条 この条例は、三宅島噴火災害の継続により、長期の避難生活を余儀なくされた村民に対し、避難生活が困窮状態に陥らないようにするとともに、帰島してから自らの努力により生活の再建が可能となるよう支援することを目的として、予算の範囲内において交付する三宅村災害保護特別事業交付金(以下「交付金」という。)について定める。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 被災日 災害救助法(昭和22年法律第118号)が三宅島噴火災害に適用された平成12年6月26日をいう。

(2) 避難生活 被災日以降に三宅村から生活根拠を移した世帯をいう。

(3) 生活保護法等 生活保護法(昭和25年法律第144号)及び生活保護関係法令をいう。

(4) 収入認定額 世帯の収入について生活保護法等の規定を準用して村長が認定した額をいう。

(5) 基準額 生活保護法に基づく基準を準用して、別途規則に定める額をいう。

(交付対象)

第3条 この交付金は、世帯を単位として、次に掲げるすべての要件を備えている避難世帯の世帯主又は村長が特別に認める者(以下「対象者」という。)に交付する。

(1) 被災日に三宅村に住所を有し、かつ帰島の意思を有する世帯であること。

(2) 生活保護の対象とならない世帯であること。

(3) 収入認定額が基準額以下であること。

(4) 義援金及び支援金を含め、預貯金の保有額が500万円以下であること。

(交付金の額)

第4条 交付金の額は、月を単位とし、収入認定額と基準額の差額により算出した額(以下「交付額」という。)とする。

(申請手続き)

第5条 対象者が交付金の交付を受けようとするときは、村長に申請し、認定を受けるものとする。

(審査等)

第6条 村長は、申請された内容について遅滞なく審査しなければならない。

2 前項の申請のほか、村長は、申請の内容等に関し必要があるときは、対象者から報告を求め、又は関係書類その他必要な事項を調査することができる。

3 対象者は、第1項の審査及び前項の調査に協力しなければならない。

(交付対象者の認定)

第7条 村長は、前条に基づく審査を実施し、要件に該当すると認めたときは、交付金を交付する対象者の認定及び交付額の決定を行い、その結果を速やかに対象者に通知しなければならない。

2 村長は、前項の認定にあたって条件を付すことができる。

(申請の却下)

第8条 村長は、第6条に基づく審査を実施し、要件に該当しないと認めたときは、理由を付して申請を却下し、その結果を速やかに対象者に通知しなければならない。

(対象者の責務等)

第9条 認定を受けた対象者は、認定通知受領後速やかに、第3条第4項に定める預貯金を規則で定める預託先に預託しなければならない。

2 対象者は、申請の内容等に変更があったときは、速やかに村長に届け出なければならない。

(交付金の交付)

第10条 村長は、第7条に基づき通知した交付額を、対象者に交付する。ただし、第9条第1項に定める預託が確認できないときは交付額を留保する。

2 前項の交付は月ごととし、申請があった日が属する月から開始する。

(交付額の再決定等)

第11条 村長は、基準額等の変更及び世帯の収入額の変動等、事情変更が生じたときは、申請又は職権をもって交付額を再決定(以下「再決定」という。)し、その内容を速やかに対象者に通知する。

2 前項の再決定により、既に交付した額について遡及して変更があるとき、村長は、その差額を追加交付し、又は期限を付して返還を命じることができる。

(交付の停止及び認定の取消し)

第12条 村長は、第3条の要件に該当しなくなった場合は、申請又は職権をもって交付の停止を決定し、その内容を速やかに対象者に通知する。

2 村長は、対象者が次の各号のいずれかに該当する場合、認定を取り消すことができる。

(1) 交付金の交付に必要な申請書等に、虚偽又は事実と異なる記載をしたとき。

(2) 第9条第1項に定める預託を行わないとき。

(3) 第9条第2項に定める手続きを怠るとき。

(4) 第11条第2項に定める返還を期限までに履行しないとき。

(5) 交付金を受ける権利を第三者に譲渡し、担保の用に供するなど、交付金の交付目的に反することを行ったとき。

(6) 前各号に掲げるもののほか、対象者の認定内容又はこれに付した条件に違反したとき。

(帰島に関する特例)

第13条 前条のほか、対象者が、災害対策基本法(昭和36年法律第223号)に基づく避難指示(以下「避難指示」という。)が解除された後も帰島しない場合、村長は、認定を取り消すことができる。ただし、村長が特に理由があると認めるときは、この限りでない。

(交付金の返還)

第14条 前2条の規定により認定が取り消された場合において、既に交付金が交付されているときは、対象者は当該交付金を返還しなければならない。

(交付金の交付期間)

第15条 本条例に基づく交付金の交付は、平成17年3月末日をもって終了する。ただし、それ以前に避難指示が解除された場合は、その解除の日が属する月の月末までとする。

(基金の設置)

第16条 本条例に基づく交付金の原資とするため、別に三宅村災害保護特別事業交付金基金(以下「基金」という。)を設置する。

2 交付金は、前条の規定にかかわらず、基金の額を上回って交付することはできない。

(関係機関との協力)

第17条 村長は、本条例の運用と交付金の有効かつ適正な交付のため、生活保護実施機関である東京都等と密接な協力を図ることとする。

(委任)

第18条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行について必要な事項は、規則で定める。

この条例は、公布の日から起算して一月を超えない範囲内において、規則で定める日から施行する。

(平成15年2月14日規則第2号で平成15年2月17日から施行)

(平成16年条例第1号)

この条例は、公布の日から施行する。

三宅村災害保護特別事業交付金交付条例

平成15年2月5日 条例第1号

(平成16年3月31日施行)