○三宅村指定介護予防支援等の事業の人員及び運営並びに指定介護予防支援等に係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準等を定める条例
平成27年3月10日
条例第10号
目次
第1章 総則(第1条―第4条)
第2章 人員に関する基準(第5条・第6条)
第3章 運営に関する基準(第7条―第31条)
第4章 介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準(第32条―第34条)
第5章 基準該当介護予防支援に関する基準(第35条)
第6章 雑則(第36条)
附則
第1章 総則
(趣旨)
第1条 この条例は、介護保険法(平成9年法律第123号。以下「法」という。)第59条第1項第1号、第115条の22第2項第1号並びに第115条の24第1項及び第2項の規定に基づき、指定介護予防支援の事業の人員及び運営並びに指定介護予防支援に係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準並びにこれらの基準のうち基準該当介護予防支援の事業に関する基準を定めるものとする。
(定義)
第2条 この条例で使用する用語の意義は、法で使用する用語の例による。
(指定介護予防支援事業者の一般原則)
第3条 法第115条の22第2項第1号の条例で定める者は、法人とする。
(基本方針)
第4条 指定介護予防支援の事業は、当該事業の利用者が可能な限りその居宅において、自立した日常生活を営むことのできるように配慮して行われるものでなければならない。
2 指定介護予防支援の事業は、利用者の心身の状況、その置かれている環境等に応じて、利用者の選択に基づき、利用者の自立に向けて設定された目標を達成するために、適切な保健医療サービス及び福祉サービスが、当該目標を踏まえ、多様な事業者から、総合的かつ効率的に提供されるよう配慮して行われるものでなければならない。
3 指定介護予防支援事業者は、指定介護予防支援の提供に当たっては、利用者の意思及び人格を尊重し、常に利用者の立場に立って、利用者に提供される指定介護予防サービス等が特定の種類又は特定の介護予防サービス事業者若しくは地域密着型介護予防サービス事業者(以下「介護予防サービス事業者等」という。)に不当に偏することのないよう、公正中立に行わなければならない。
4 指定介護予防支援事業者は、事業の運営に当たっては、村、地域包括支援センター、老人福祉法(昭和38年法律第133号)第20条の7の2に規定する老人介護支援センター、指定居宅介護支援事業者、他の指定介護予防支援事業者、介護保険施設、住民による自発的な活動によるサービスを含めた地域における様々な取組を行う者等との連携に努めなければならない。
5 指定介護予防支援事業者は、利用者の人権の擁護、虐待の防止等のため、必要な体制の整備を行うとともに、その従業者に対し、研修を実施する等の措置を講じなければならない。
6 指定介護予防支援事業者は、指定介護予防支援を提供するに当たっては、法第118条の2第1項に規定する介護保険等関連情報その他必要な情報を活用し、適切かつ有効に行うよう努めなければならない。
第2章 人員に関する基準
(従業者の員数)
第5条 指定介護予防支援事業者は、当該指定に係る事業所(以下「指定介護予防支援事業所」という。)ごとに1以上の員数の指定介護予防支援の提供に当たる必要な数の保健師その他の指定介護予防支援に関する知識を有する職員(以下「担当職員」という。)を置かなければならない。
(管理者)
第6条 指定介護予防支援事業者は、指定介護予防支援事業所ごとに常勤の管理者を置かなければならない。
2 前項に規定する管理者は、専らその職務に従事する者でなければならない。ただし、指定介護予防支援事業所の管理に支障がない場合は、当該指定介護予防支援事業所の他の業務に従事し、又は当該指定介護予防支援事業者である地域包括支援センターの業務に従事することができるものとする。
第3章 運営に関する基準
(内容及び手続の説明及び同意)
第7条 指定介護予防支援事業者は、指定介護予防支援の提供の開始に際し、あらかじめ、利用申込者又はその家族に対し、第20条に規定する運営規程の概要その他の利用申込者のサービスの選択に資すると認められる重要事項を記した文書を交付して説明を行い、当該提供の開始について利用申込者の同意を得なければならない。
2 指定介護予防支援事業者は、指定介護予防支援の提供の開始に際し、あらかじめ、介護予防サービス計画が第4条に規定する基本方針及び利用者の希望に基づき作成されるものであること等につき説明を行い、理解を得なければならない。
ア 指定介護予防支援事業者の使用に係る電子計算機と利用申込者又はその家族の使用に係る電子計算機とを接続する電気通信回線を通じて送信し、受信者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録する方法
イ 指定介護予防支援事業者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに記録された第1項に規定する重要事項を電気通信回線を通じて利用申込者又はその家族の閲覧に供し、当該利用申込者又はその家族の使用に係る電子計算機に備えられたファイルに当該重要事項を記録する方法(電磁的方法による提供を受ける旨の承諾又は受けない旨の申出をする場合にあっては、指定介護予防支援事業者の使用に係る電子計算機に備えられたファイルにその旨を記録する方法)
(2) 磁気ディスク、シー・ディー・ロムその他これらに準ずる方法により一定の事項を確実に記録しておくことができる物をもって調製するファイルに第1項に規定する重要事項を記録したものを交付する方法
4 前項に掲げる方法は、利用申込者又はその家族がファイルへの記録を出力することにより文書を作成することができるものでなければならない。
5 第3項第1号の「電子情報処理組織」とは、指定介護予防支援事業者の使用に係る電子計算機と、利用申込者又はその家族の使用に係る電子計算機とを電気通信回線で接続した電子情報処理組織をいう。
(1) 第3項各号に規定する方法のうち指定介護予防支援事業者が使用するもの
(2) ファイルへの記録の方式
(提供拒否の禁止)
第8条 指定介護予防支援事業者は、正当な理由なく指定介護予防支援の提供を拒んではならない。
(サービス提供困難時の対応)
第9条 指定介護予防支援事業者は、当該指定介護予防支援事業所の通常の事業の実施地域(当該指定介護予防支援事業所が通常時に指定介護予防支援を提供する地域をいう。以下同じ。)等を勘案し、利用申込者に対し自ら適切な指定介護予防支援を提供することが困難であると認めた場合は、他の指定介護予防支援事業者の紹介その他の必要な措置を講じなければならない。
(受給資格等の確認)
第10条 指定介護予防支援事業者は、指定介護予防支援の提供を求められた場合には、当該提供を求めた者の提示する被保険者証によって、被保険者資格、要支援認定の有無及び要支援認定の有効期間を確かめるものとする。
(要支援認定の申請に係る援助)
第11条 指定介護予防支援事業者は、被保険者の要支援認定に係る申請について、利用申込者の意思を踏まえ、必要な協力を行わなければならない。
2 指定介護予防支援事業者は、指定介護予防支援の提供の開始に際し、要支援認定を受けていない利用申込者については、要支援認定の申請が既に行われているかどうかを確認し、申請が行われていない場合は、当該利用申込者の意思を踏まえて速やかに当該申請が行われるよう必要な援助を行わなければならない。
3 指定介護予防支援事業者は、要支援認定の更新の申請が、遅くとも当該利用者が受けている要支援認定の有効期間の満了日の30日前には行われるよう、必要な援助を行わなければならない。
(身分を証する書類の携行)
第12条 指定介護予防支援事業者は、当該指定介護予防支援事業所の担当職員に身分を証する書類を携行させ、初回訪問時及び利用者又はその家族から求められたときは、これを提示すべき旨を指導しなければならない。
(利用料等の受領)
第13条 指定介護予防支援事業者は、指定介護予防支援(法第58条第4項の規定に基づき介護予防サービス計画費が当該指定介護予防支援事業者に支払われる場合に係るものを除く。)を提供した際にその利用者から支払を受ける利用料(介護予防サービス計画費の支給の対象となる費用に係る対価をいう。以下同じ。)の額と、介護予防サービス計画費の額との間に、不合理な差額が生じないようにしなければならない。
(保険給付の請求のための証明書の交付)
第14条 指定介護予防支援事業者は、提供した指定介護予防支援について前条の利用料の支払を受けた場合には、当該利用料の額等を記載した指定介護予防支援提供証明書を利用者に対して交付しなければならない。
(指定介護予防支援の業務の委託)
第15条 指定介護予防支援事業者は、法第115条の23第3項の規定により指定介護予防支援の一部を委託する場合には、次に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1) 委託に当たっては、中立性及び公正性の確保を図るため、地域包括支援センター運営協議会(介護保険法施行規則(平成11年厚生省令第36号)第140条の66第1号ロ(2)に規定する地域包括支援センター運営協議会をいう。)の議を経なければならないこと。
(2) 委託に当たっては、適切かつ効率的に指定介護予防支援の業務が実施できるよう、委託する業務の範囲、業務量等について配慮すること。
(3) 委託する指定居宅介護支援事業者は、指定介護予防支援の業務に関する知識及び能力を有する介護支援専門員が従事する指定居宅介護支援事業者でなければならないこと。
(法定代理受領サービスに係る報告)
第16条 指定介護予防支援事業者は、毎月、村(法第53条第7項及び第54条の2第9項において読み替えて準用する法第41条第10項の規定により法第53条第6項及び第54条の2第8項の規定による審査及び支払に関する事務を国民健康保険団体連合会(国民健康保険法(昭和33年法律第192号)第45条第5項に規定する国民健康保険団体連合会をいう。以下同じ。)に委託している場合にあっては、当該国民健康保険団体連合会)に対し、介護予防サービス計画において位置付けられている指定介護予防サービス等のうち法定代理受領サービス(法第53条第4項又は第54条の2第6項の規定により介護予防サービス費又は地域密着型介護予防サービス費が利用者に代わり当該指定介護予防サービス事業者又は指定地域密着型介護予防サービス事業者に支払われる場合の当該介護予防サービス費又は地域密着型介護予防サービス費に係る指定介護予防サービス又は指定地域密着型介護予防サービスをいう。)として位置付けたものに関する情報を記載した文書を提出しなければならない。
2 指定介護予防支援事業者は、介護予防サービス計画に位置付けられている基準該当介護予防サービスに係る特例介護予防サービス費の支給に係る事務に必要な情報を記載した文書を、村(当該事務を国民健康保険団体連合会に委託している場合にあっては、当該国民健康保険団体連合会)に対して提出しなければならない。
(利用者に対する介護予防サービス計画等の書類の交付)
第17条 指定介護予防支援事業者は、要支援認定を受けている利用者が要介護認定を受けた場合その他利用者からの申出があった場合には、当該利用者に対し、直近の介護予防サービス計画及びその実施状況に関する書類を交付しなければならない。
(利用者に関する村への通知)
第18条 指定介護予防支援事業者は、指定介護予防支援を受けている利用者が次の各号のいずれかに該当する場合は、遅滞なく、意見を付してその旨を村に通知しなければならない。
(1) 正当な理由なしに介護給付等対象サービスの利用に関する指示に従わないこと等により、要支援状態の程度を増進させたと認められるとき又は要介護状態になったと認められるとき。
(2) 偽りその他不正の行為によって保険給付の支給を受け、又は受けようとしたとき。
(管理者の責務)
第19条 指定介護予防支援事業所の管理者は、当該指定介護予防支援事業所の担当職員その他の従業者の管理、指定介護予防支援の利用の申込みに係る調整、業務の実施状況の把握その他の管理を一元的に行わなければならない。
2 指定介護予防支援事業所の管理者は、当該指定介護予防支援事業所の担当職員その他の従業者にこの章及び次章の規定を遵守させるため必要な指揮命令を行うものとする。
(運営規程)
第20条 指定介護予防支援事業者は、指定介護予防支援事業所ごとに、次に掲げる事業の運営についての重要事項に関する規程(以下「運営規程」という。)を定めておかなければならない。
(1) 事業の目的及び運営の方針
(2) 職員の職種、員数及び職務の内容
(3) 営業日及び営業時間
(4) 指定介護予防支援の提供方法、内容及び利用料その他の費用の額
(5) 通常の事業の実施地域
(6) 虐待の防止のための措置に関す る事項
(7) その他運営に関する重要事項
(勤務体制の確保)
第21条 指定介護予防支援事業者は、利用者に対し適切な指定介護予防支援を提供できるよう、指定介護予防支援事業所ごとに担当職員その他の従業者の勤務の体制を定めておかなければならない。
2 指定介護予防支援事業者は、指定介護予防支援事業所ごとに、当該指定介護予防支援事業所の担当職員によって指定介護予防支援の業務を提供しなければならない。ただし、担当職員の補助の業務については、この限りでない。
3 指定介護予防支援事業者は、担当職員の資質の向上のために、その研修の機会を確保しなければならない。
4 指定介護予防支援事業者は、適切な指定介護予防支援の提供を確保する観点から、職場において行われる性的な言動又は優越的な関係を背景とした言動であって業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより担当職員の就業環境が害されることを防止するための方針の明確化等の必要な措置を講じなければならない。
(業務継続計画の策定等)
第21条の2 指定介護予防支援事業者は、感染症や非常災害の発生時において、利用者に対する指定介護予防支援の提供を継続的に実施するための、及び非常時の体制で早期の業務再開を図るための計画(以下「業務継続計画」という。)を策定し、当該業務継続計画に従い必要な措置を講じなければならない。
2 指定介護予防支援事業者は、担当職員に対し、業務継続計画について周知するとともに、必要な研修及び訓練を定期的に実施しなければならない。
3 指定介護予防支援事業者は、定期的に業務継続計画の見直しを行い、必要に応じて業務継続計画の変更を行うものとする。
(設備及び備品等)
第22条 指定介護予防支援事業者は、事業を行うために必要な広さの区画を有するとともに、指定介護予防支援の提供に必要な設備及び備品等を備えなければならない。
(従業者の健康管理)
第23条 指定介護予防支援事業者は、担当職員の清潔の保持及び健康状態について、必要な管理を行わなければならない。
(感染症の予防及びまん延の防止のための措置)
第23条の2 指定介護予防支援事業者は、当該指定介護予防支援事業所において感染症が発生し、又はまん延しないように、次の各号に掲げる措置を講じなければならない。
(1) 当該指定介護予防支援事業所における感染症の予防及びまん延の防止のための対策を検討する委員会(テレビ電話装置その他の情報通信機器(以下「テレビ電話装置等」という。)をおおむね6月に1回以上開催するとともに、その結果について、担当職員に周知徹底を図ること。
(2) 当該指定介護予防支援事業所における感染症の予防及びまん延防止のための指針を整備すること。
(3) 当該指定介護予防支援事業所において、担当職員に対し、感染症の予防及びまん延の防止のための研修及び訓練を定期的に実施すること。
(掲示)
第24条 指定介護予防支援事業者は、指定介護予防支援事業所の見やすい場所に、運営規程の概要、担当職員の勤務の体制その他の利用申込者のサービスの選択に資すると認められる重要事項を掲示しなければならない。
(秘密保持)
第25条 指定介護予防支援事業所の担当職員その他の従業者は、正当な理由がなく、その業務上知り得た利用者又はその家族の秘密を漏らしてはならない。
2 指定介護予防支援事業者は、担当職員その他の従業者であった者が、正当な理由がなく、その業務上知り得た利用者又はその家族の秘密を漏らすことのないよう、必要な措置を講じなければならない。
3 指定介護予防支援事業者は、サービス担当者会議(第33条第9号に規定するサービス担当者会議をいう。)等において、利用者の個人情報を用いる場合は利用者の同意を、利用者の家族の個人情報を用いる場合は当該家族の同意を、あらかじめ文書により得ておかなければならない。
(広告)
第26条 指定介護予防支援事業者は、指定介護予防支援事業所について広告をする場合においては、その内容が虚偽又は誇大なものとしてはならない。
(介護予防サービス事業者等からの利益収受の禁止等)
第27条 指定介護予防支援事業者及び指定介護予防支援事業所の管理者は、介護予防サービス計画の作成又は変更に関し、当該指定介護予防支援事業所の担当職員に対して特定の介護予防サービス事業者等によるサービスを位置付けるべき旨の指示等を行ってはならない。
2 指定介護予防支援事業所の担当職員は、介護予防サービス計画の作成又は変更に関し、利用者に対して特定の介護予防サービス事業者等によるサービスを利用すべき旨の指示等を行ってはならない。
3 指定介護予防支援事業者及びその従業者は、介護予防サービス計画の作成又は変更に関し、利用者に対して特定の介護予防サービス事業者等によるサービスを利用させることの対償として、当該介護予防サービス事業者等から金品その他の財産上の利益を収受してはならない。
(苦情処理)
第28条 指定介護予防支援事業者は、自ら提供した指定介護予防支援又は自らが介護予防サービス計画に位置付けた指定介護予防サービス等(第6項において「指定介護予防支援等」という。)に対する利用者又はその家族からの苦情に迅速かつ適切に対応しなければならない。
2 指定介護予防支援事業者は、前項の苦情を受け付けた場合には、当該苦情の内容等を記録しなければならない。
3 指定介護予防支援事業者は、自ら提供した指定介護予防支援に関し、法第23条の規定により村が行う文書その他の物件の提出若しくは提示の求め又は村の当該職員からの質問若しくは照会に応じ、及び利用者又はその家族からの苦情に関して村が行う調査に協力するとともに、村から指導又は助言を受けた場合においては、当該指導又は助言に従って必要な改善を行わなければならない。
4 指定介護予防支援事業者は、村からの求めがあった場合には、前項の改善の内容を村に報告しなければならない。
5 指定介護予防支援事業者は、自らが介護予防サービス計画に位置付けた指定介護予防サービス又は指定地域密着型介護予防サービスに対する苦情の国民健康保険団体連合会への申立てに関して、利用者又はその家族に対し必要な援助を行わなければならない。
6 指定介護予防支援事業者は、指定介護予防支援等に対する利用者又はその家族からの苦情に関して国民健康保険団体連合会が行う法第176条第1項第3号の調査に協力するとともに、自ら提供した指定介護予防支援に関して国民健康保険団体連合会から同号の指導又は助言を受けた場合においては、当該指導又は助言に従って必要な改善を行わなければならない。
7 指定介護予防支援事業者は、国民健康保険団体連合会からの求めがあった場合には、前項の改善の内容を国民健康保険団体連合会に報告しなければならない。
(事故発生時の対応)
第29条 指定介護予防支援事業者は、利用者に対する指定介護予防支援の提供により事故が発生した場合には、速やかに村、利用者の家族等に連絡を行うとともに、必要な措置を講じなければならない。
2 指定介護予防支援事業者は、前項の事故の状況及び事故に際して採った処置について記録しなければならない。
3 指定介護予防支援事業者は、第1項の事故による損害のうち、当該指定介護予防支援事業者が賠償すべきものについては、速やかに賠償しなければならない。
(虐待の防止)
第29条の2 指定介護予防支援事業者は、虐待の発生又はその再発を防止するため、次の各号に掲げる措置を講じなければならない。
(1) 当該指定介護予防支援事業所における虐待の防止のための対策を検討する委員会(テレビ電話装置等を活用して行うことができるものとする。)を定期的に開催するとともに、その結果について、担当職員に周知徹底を図ること。
(2) 当該指定介護予防支援事業所における虐待の防止のための指針を整備すること。
(3) 当該指定介護予防支援事業所において、担当職員に対し、虐待の防止のための研修を定期的に実施すること。
(4) 前3号に掲げる措置を適切に実施するための担当者を置くこと。
(会計の区分)
第30条 指定介護予防支援事業者は、指定介護予防支援事業所ごとに経理を区分するとともに、指定介護予防支援の事業の会計とその他の事業の会計とを区分しなければならない。
(記録の整備)
第31条 指定介護予防支援事業者は、従業者、設備、備品及び会計に関する諸記録を整備しておかなければならない。
2 指定介護予防支援事業者は、利用者に対する指定介護予防支援の提供に関する次に掲げる記録を整備し、その完結の日から5年間保存しなければならない。
(1) 第33条第13号に規定する指定介護予防サービス事業者等との連絡調整に関する記録
(2) 個々の利用者ごとに次に掲げる事項を記載した介護予防支援台帳
ア 介護予防サービス計画
イ 第33条第7号に規定するアセスメントの結果の記録
ウ 第33条第9号に規定するサービス担当者会議等の記録
エ 第33条第14号に規定する評価の結果の記録
オ 第33条第15号に規定するモニタリングの結果の記録
(3) 第18条に規定する村への通知に係る記録
(4) 第28条第2項に規定する苦情の内容等の記録
(5) 第29条第2項に規定する事故の状況及び事故に際して採った処置についての記録
第4章 介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準
(指定介護予防支援の基本取扱方針)
第32条 指定介護予防支援は、利用者の介護予防に資するよう行われるとともに、医療サービスとの連携に十分配慮して行わなければならない。
2 指定介護予防支援事業者は、介護予防の効果を最大限に発揮し、利用者が生活機能の改善を実現するための適切なサービスを選択できるよう、目標志向型の介護予防サービス計画を策定しなければならない。
3 指定介護予防支援事業者は、自らその提供する指定介護予防支援の質の評価を行い、常にその改善を図らなければならない。
(1) 指定介護予防支援事業所の管理者は、担当職員に介護予防サービス計画の作成に関する業務を担当させるものとする。
(2) 指定介護予防支援の提供に当たっては、懇切丁寧に行うことを旨とし、利用者又はその家族に対し、サービスの提供方法等について、理解しやすいように説明を行わなければならない。
(3) 担当職員は、介護予防サービス計画の作成に当たっては、利用者の自立した日常生活の支援を効果的に行うため、利用者の心身又は家族の状況等に応じ、継続的かつ計画的に指定介護予防サービス等の利用が行われるようにしなければならない。
(4) 担当職員は、介護予防サービス計画の作成に当たっては、利用者の日常生活全般を支援する観点から、予防給付の対象となるサービス以外の保健医療サービス又は福祉サービス、当該地域の住民による自発的な活動によるサービス等の利用も含めて介護予防サービス計画上に位置付けるよう努めなければならない。
(5) 担当職員は、介護予防サービス計画の作成の開始に当たっては、利用者によるサービスの選択に資するよう、当該地域における指定介護予防サービス事業者等によるサービス及び住民による自発的な活動によるサービスの内容、利用料等の情報を適正に利用者又はその家族に対して提供しなければならない。
(6) 担当職員は、介護予防サービス計画の作成に当たっては、適切な方法により、利用者について、その有している生活機能及び健康状態、その置かれている環境等を把握した上で、次に掲げる項目ごとに利用者の日常生活の状況を把握し、利用者及びその家族の意欲及び意向を踏まえて、生活機能の低下の原因を含む利用者が現に抱える問題点を明らかにするとともに、介護予防の効果を最大限に発揮し、利用者が自立した日常生活を営むことができるように支援すべき総合的な課題を把握しなければならない。
ア 運動及び移動
イ 家庭生活を含む日常生活
ウ 社会参加並びに対人関係及びコミュニケーション
エ 健康管理
(7) 担当職員は、前号に規定する解決すべき課題の把握(以下「アセスメント」という。)に当たっては、利用者の居宅を訪問し、利用者及びその家族に面接して行わなければならない。この場合において、担当職員は、面接の趣旨を利用者及びその家族に対して十分に説明し、理解を得なければならない。
(8) 担当職員は、利用者の希望及び利用者についてのアセスメントの結果に基づき、利用者が目標とする生活、専門的観点からの目標及び具体策、利用者及びその家族の意向、それらを踏まえた具体的な目標、その目標を達成するための支援の留意点、本人、指定介護予防サービス事業者、自発的な活動によるサービスを提供する者等が目標を達成するために行うべき支援内容及びその期間等を記載した介護予防サービス計画の原案を作成しなければならない。
(9) 担当職員は、サービス担当者会議(担当職員が介護予防サービス計画の作成のために介護予防サービス計画の原案に位置付けた指定介護予防サービス等の担当者(以下「担当者」という。)を招集して行う会議(テレビ電話装置等を活用して行うことができるものとする。ただし、利用者又はその家族(以下この号において「利用者等」という。)が参加する場合にあっては、テレビ電話装置等の活用について当該利用者等の同意を得なければならない。)をいう。以下同じ。)の開催により、利用者の状況等に関する情報を担当者と共有するとともに、当該介護予防サービス計画の原案の内容について、担当者から、専門的な見地からの意見を求めなければならない。ただし、やむを得ない理由がある場合については、担当者に対する照会等により意見を求めることができるものとする。
(10) 担当職員は、介護予防サービス計画の原案に位置付けた指定介護予防サービス等について、保険給付の対象となるかどうかを区分した上で、当該介護予防サービス計画の原案の内容について利用者又はその家族に対して説明し、文書により利用者の同意を得なければならない。
(11) 担当職員は、介護予防サービス計画を作成した際には、当該介護予防サービス計画を利用者及び担当者に交付しなければならない。
(12) 担当職員は、指定介護予防サービス事業者等に対して、介護予防サービス計画に基づき、介護予防訪問介護計画(東京都指定介護予防サービス等の事業の人員、設備及び運営並びに指定介護予防サービス等に係る介護予防のための効果的な支援の方法の基準に関する条例(平成24年東京都条例第112号。以下「指定介護予防サービス等基準条例」という。)第40条第1項第2号に規定する介護予防訪問介護計画をいう。)等指定介護予防サービス等基準条例において位置付けられている計画の作成を指導するとともに、サービスの提供状況、利用者の状態等に関する報告を少なくとも1月に1回、聴取しなければならない。
(13) 担当職員は、介護予防サービス計画を作成した後は、介護予防サービス計画の実施状況の把握(利用者についての継続的なアセスメントを含む。)を行い、必要に応じて介護予防サービス計画の変更、指定介護予防サービス事業者等との連絡調整その他の便宜の提供を行わなければならない。
(14) 担当職員は、介護予防サービス計画に位置付けた期間が終了するときは、当該介護予防サービス計画の目標の達成状況について評価しなければならない。
(15) 担当職員は、第13号に規定する実施状況の把握(以下「モニタリング」という。)に当たっては、利用者及びその家族並びに指定介護予防サービス事業者等との連絡を継続的に行うこととし、特段の事情のない限り、次に定めるところによらなければならない。
ア 少なくともサービスの提供を開始する月の翌月から起算して3月に1回及びサービスの評価期間が終了する月並びに利用者の状況に著しい変化があったときは、利用者の居宅を訪問し、利用者に面接すること。
イ 利用者の居宅を訪問しない月においては、可能な限り、指定介護予防通所介護事業所(指定介護予防サービス等基準条例第97条第1項に規定する指定介護予防通所介護事業所をいう。)又は指定介護予防通所リハビリテーション事業所(指定介護予防サービス等基準条例第117条第1項に規定する指定介護予防通所リハビリテーション事業所をいう。)を訪問する等の方法により利用者に面接するよう努めるとともに、当該面接ができない場合にあっては、電話等により利用者との連絡を実施すること。
ウ 少なくとも1月に1回、モニタリングの結果を記録すること。
(16) 担当職員は、次に掲げる場合においては、サービス担当者会議の開催により、介護予防サービス計画の変更の必要性について、担当者から、専門的な見地からの意見を求めなければならない。ただし、やむを得ない理由がある場合については、担当者に対する照会等により意見を求めることができるものとする。
ア 要支援認定を受けている利用者が要支援更新認定を受けた場合
イ 要支援認定を受けている利用者が要支援状態区分の変更の認定を受けた場合
(18) 担当職員は、適切な保健医療サービス及び福祉サービスが総合的かつ効率的に提供されている場合においても、利用者がその居宅において日常生活を営むことが困難になったと認める場合又は利用者が介護保険施設への入院若しくは入所を希望する場合には、利用者の要介護認定に係る申請について必要な支援を行い、介護保険施設への紹介その他の便宜の提供を行わなければならない。
(19) 担当職員は、介護保険施設等から退院又は退所しようとする要支援者から依頼があった場合には、居宅における生活へ円滑に移行できるよう、あらかじめ、介護予防サービス計画の作成等の援助を行わなければならない。
(20) 担当職員は、利用者が介護予防訪問看護、介護予防通所リハビリテーション等の医療サービスの利用を希望している場合その他必要な場合には、利用者の同意を得て主治の医師又は歯科医師(以下「主治の医師等」という。)の意見を求めなければならない。
(21) 担当職員は、介護予防サービス計画に介護予防訪問看護、介護予防通所リハビリテーション等の医療サービスを位置付ける場合にあっては、当該医療サービスに係る主治の医師等の指示がある場合に限りこれを行うものとし、医療サービス以外の指定介護予防サービス等を位置付ける場合にあっては、当該指定介護予防サービス等に係る主治の医師等の医学的観点からの留意事項が示されているときは、当該留意事項を尊重してこれを行わなければならない。
(22) 担当職員は、介護予防サービス計画に介護予防短期入所生活介護又は介護予防短期入所療養介護を位置付ける場合にあっては、利用者の居宅における自立した日常生活の維持に十分に留意するものとし、利用者の心身の状況等を勘案して特に必要と認められる場合を除き、介護予防短期入所生活介護及び介護予防短期入所療養介護を利用する日数が要支援認定の有効期間のおおむね半数を超えないようにしなければならない。
(23) 担当職員は、介護予防サービス計画に介護予防福祉用具貸与を位置付ける場合にあっては、その利用の妥当性を検討し、当該介護予防サービス計画に介護予防福祉用具貸与が必要な理由を記載するとともに、必要に応じて随時、サービス担当者会議を開催し、その継続の必要性について検証をした上で、継続が必要と認める場合にはその理由を当該介護予防サービス計画に記載しなければならない。
(24) 担当職員は、介護予防サービス計画に特定介護予防福祉用具販売を位置付ける場合にあっては、その利用の妥当性を検討し、当該介護予防サービス計画に特定介護予防福祉用具販売が必要な理由を記載しなければならない。
(25) 担当職員は、利用者が提示する被保険者証に、認定審査会意見又は法第37条第1項の規定による指定に係る介護予防サービス若しくは地域密着型介護予防サービスの種類についての記載がある場合には、利用者にその趣旨(同項の規定による指定に係る介護予防サービス又は地域密着型介護予防サービスの種類については、その変更の申請ができることを含む。)を説明し、理解を得た上で、その内容に沿って介護予防サービス計画を作成しなければならない。
(26) 担当職員は、要支援認定を受けている利用者が要介護認定を受けた場合には、指定居宅介護支援事業者と当該利用者に係る必要な情報を提供する等の連携を図らなければならない。
(介護予防支援の提供に当たっての留意点)
第34条 介護予防支援の実施に当たっては、介護予防の効果を最大限に発揮できるよう次に掲げる事項に留意しなければならない。
(1) 単に運動機能、栄養状態、口腔機能といった特定の機能等の改善のみを目指すものではなく、これらの機能の改善及び環境の調整等を通じて、利用者の日常生活の自立のための取組を総合的に支援することによって生活の質の向上を目指すこと。
(2) 利用者による主体的な取組を支援し、常に利用者の生活機能の向上に対する意欲を高めるよう支援すること。
(3) 具体的な日常生活における行為について、利用者の状態の特性を踏まえた目標を、期間を定めて設定し、利用者、サービス提供者等とともに目標を共有すること。
(4) 利用者の自立を最大限に引き出す支援を行うことを基本とし、利用者のできる行為は可能な限り本人が行うよう配慮すること。
(5) サービス担当者会議等を通じて、多くの種類の専門職の連携により、地域における様々な予防給付の対象となるサービス以外の保健医療サービス又は福祉サービス、当該地域の住民による自発的な活動によるサービス等の利用も含めて、介護予防に資する取組を積極的に活用すること。
(6) 地域支援事業及び介護給付と連続性及び一貫性を持った支援を行うよう配慮すること。
(7) 介護予防サービス計画の策定に当たっては、利用者の個別性を重視した効果的なものとすること。
(8) 機能の改善の後についても、その状態の維持への支援に努めること。
第5章 基準該当介護予防支援に関する基準
第6章 雑則
(電磁的記録等)
第36条 指定介護予防支援事業者及び指定介護予防支援の提供に当たる者は、作成、保存その他これらに類するもののうち、この条例の規定において書面(書面、書類、文書、謄本、抄本、正本、副本、複本その他文字、図形等人の知覚によって認識することができる情報が記載された紙その他有体物をいう。以下この条において同じ。)で行うことが規定されている又は想定されるもの(第10条(第35条において準用する場合を含む。)及び第33条第25号(第35条において準用する場合を含む。)並びに次項に規定するものを除く。)については、書面に代えて、当該書面に係る電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)により行うことができる。
2 指定介護予防支援事業者及び指定介護予防支援の提供に当たる者は、交付、説明、同意、承諾その他これらに類するもの(以下「交付等」という。)のうち、この条例の規定において書面で行うことが規定されている又は想定されるものについては、当該交付等の相手方の承諾を得て、書面に代えて、電磁的方法(電子的方法、磁気的方法その他人の知覚によって認識することができない方法をいう。)によることができる。
附則
この条例は、平成27年4月1日から施行する。
附則(令和3年条例第9号)
(施行期日)
1 この条例は、令和3年4月1日から施行する。
(虐待の防止に係る経過措置)
2 この条例の施行の日から令和6年3月31日までの間、この条例による改正後の三宅村指定介護予防支援等の事業の人員及び運営並びに指定介護予防支援等に係る介護予防のための効果的な支援の方法に関する基準等を定める条例(以下「新条例」という。)第4条第5項及び第29条の2(新条例第35条において準用する場合を含む。)の規定の適用については、これらの規定中「講じなければ」とあるのは、「講じるよう努めなければ」とし、新条例第20条(新条例第35条において準用する場合を含む。)の規定の適用についてはこれらの規定中に「、次に」とあるのは「、虐待の防止のための措置に関する事項に関する規定を定めておくよう努めるとともに、次に」と、「重要事項」とあるのは「重要事項(虐待防止のための措置に関する事項除く。)」とする。
(事業継続計画の策定等に係る経過措置)
3 この条例の施行の日から令和6年3月31日までの間、新条例第21条の2(新条例第35条において準用する場合を含む。)の規定の適用については、これらの規定中「講じなければ」とあるのは「講じるよう努めなければ」と、「実施しなければ」とあるのは「実施するよう努めなければ」と、「行うものとする」とあるのは「行うよう努めるものとする」とする。
(感染症の予防及びまん延防止のための措置に係る経過措置)
4 この条例の施行の日から令和6年3月31日までの間、新条例第23条の2(新条例第32条において準用する場合を含む。)の規定の適用については、これらの規定中「講じなければ」とあるのは、「講じるよう努めなければ」とする。